年頭のご挨拶に代えて

皆様、明けましておめでとうございます。本年もoffice1373を宜しくお願い申し上げます。

さて、私たちoffice1373のメンバーは、普段はバラバラに仕事をしておりますので、新年のスタートも様々です。私、井坂は前にもお知らせいたしました通り、年明け早々1月3日に、兵庫県西宮市にある兵庫県立芸術文化センターのオープン10周年記念公演の第一弾、名取裕子さんの朗読会『女優』(渡辺淳一原作)の演出をしてまいりました。

『女優』チラシ表001 (930x1280)

『女優』チラシ裏001 (930x1280)

 

 

 

 

 

 

 

日本で初めて「女優」と呼ばれた松井須磨子の、たった9年間の波瀾万丈の役者人生を名取さんが朗読を超えた一人芝居の様な語りで熱演、そこにピアニストのHIROSHIさんが奏でる数々の調べが絡み合って、ライブセッションの如く時間が進む内に、最後には会場のあちらこちらですすり泣きの声も聞こえて、お蔭様で大変な好評を頂きました。

 

終演後の楽屋前での記念撮影。向かって右は今回の上演台本を書かれた石丸さち子さん。

 

昨年は、美川憲一さんと三味線、尺八のコラボレーションで『楢山節考』の朗読の演出もさせていただきましたが、office1373の活動のメインが朗読ですので、他所での公演が演出家として大変勉強になります。

朗読の命は言葉です。朗読者の口から発せられた言葉が、まさに言霊となって観客の心に沁み入らなければ、単なる音を聞くだけになってしまいます。観客の皆様が言葉を聞いて情景を思い浮かべ、登場人物の表情を思い浮かべ、心の動きを感じ取る。それがどれだけ豊かであるかが朗読の成功の鍵となります。そのためには、音楽の選曲やきっかけ、照明の変化、朗読者の動きなどをどう組み合わせると最大限の効果を発揮するのかを緻密に計算するのが演出の仕事となります。

毎回毎回、結果を冷静に見つめながら、より精密な舞台作りを目指し、自分自身の内面を鍛える事が、演出家に課せられた仕事です。そういう意味で初めての方々とのモノ作りの日々は本当に刺激と勉強の連続です。その成果をoffice1373の公演に反映させ、常にレベルアップを目指す。それが私の苦しみでもあり楽しみでもあります。そして、私だけでなく、他のメンバーもそれぞれの仕事を通じて一人一人がより質の高いプロであるように一所懸命活動しております。

何か「「いい事」をしているから応援しよう、という程世の中は甘くないという事を私たちは知っています。「いい仕事」をしているから人は興味を持つし、応援したくなるのです。

私たちが「いい仕事」をし続ける事。それが活動を長続きさせる唯一の方法ですし、長く続けられれば、私たちと関わりを持ってくださる方が増えてまいりますので、結果として私たちの思いがより広く届く事になる。

昨日より今日、今日より明日。一歩ずつでも前進していく。

office1373はそんな集団でありたいと思います。

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