私が好きな『星の王子さま』の一節(1)

井坂です。

『星の王子さま』の文章は難しいとおっしゃる方もありますが、読み返すたびにだんだんとその味わいが出てくるのは、まさに「かんじんなことは、目に見えないんだよ」というきつねの台詞に通ずるものがあると私は感じます。ちょっとキザですが、繰り返し読むことによって「言葉」が「言霊」に変わる感覚です。

これから時々、私が好きな一節を順次ご紹介させていただきます。アトランダムですし、あえて解説や感想は記しません。皆様が読まれた時に感じることを大切にしていただければと思います。

最初にご紹介するのは、王子さまが自分の星で世話をしていた花について語る部分です。

なお、文章は全て内藤濯さん翻訳の『星の王子さま』(岩波書店)から引用させていただいております。


「ぼくは、あの時、なんにもわからなかったんだよ。あの花のいうことなんか、とりあげずに、することで品定めしなけりゃあ、いけなかったんだ。ぼくは、あの花のおかげで、いいにおいにつつまれていた。明るい光のなかにいた。だから、ぼくは、どんなことになっても、花から逃げたりしちゃいけなかったんだ。ずるそうなふるまいはしているけど、根は、やさしいんだということをくみとらなけりゃいけなかったんだ。花のすることったら、ほんとにとんちんかんなんだから。だけど、ぼくは、あんまり小さかったから、あの花を愛するってことが、わからなかったんだ」


 

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